日本・スペイン・ラテンアメリカ学会は,スペイン語圏に関わる専門的研究を深めるとともに,日本におけるスペイン語教授法の向上を図り,会員の相互交流と学術情報交換の場を提供することを目的として設立された。その構想は1986年末に提案され,1988年秋に臨時役員会を招集して,同年11月17,18日の第1回年次総会開催をもって本格的な活動を開始した。

主な活動は以下の通りである。

1)  研究は,文学,歴史,思想,教授法を中心とする。

2)  総会および研究発表の場として,年1回の総会を開催する。

3)  年次総会とは別にワークショップを開催して,研究促進を図る。

4)  研究の成果は学会誌Cuadernos CANELA(年1回発行)に掲載し,それぞれの分野における研究の発展に寄与する。なお,本誌は紙媒体で発行するとともに,本学会HPから電子媒体でも発行し(無料ダウンロード可),全世界に向けて発信する。

5)  セルバンテス文化センター東京(Instituto Cervantes Tokio)主催シンポジウム「日本におけるスペイン語教育とその将来」への協力をはじめ、全世界のスペイン語圏に関わる専門的研究機関あるいは学会との連携を図る。

設立の背景

本学会設立当時,日本においては,すでに日本イスパニア学会が1955年よりスペイン語圏の言語・文学など文化一般の研究を促進することを目的として活動しており,また,1980年には日本ラテンアメリカ学会が,ラテンアメリカ及びその関連地域の自然・人文・社会についての学術研究および調査の推進をはかり、日本におけるラテンアメリカ研究の発展に寄与することを目的として設立されていた。しかしながら,いずれの学会も使用言語は日本語であり,日本人会員が研究対象地域の言語を運用する機会は少なく,またスペイン語を母語とする会員にとっては活動への参加に制約がかかっていた。

こうした状況を鑑みて、本学会は1988年の創立にあたり、スペイン語母語話者の研究者による学術貢献と日本人研究者のコミュニケーション能力の向上を目指し、本学会における使用言語をスペイン語と定めた。これにより,スペイン語を母語とする日本在住の研究者が,研究発表を母語で行うだけでなく,会長職をはじめとした理事会の構成員として学会運営に参画することを可能にした。

さらには,日本イスパニア学会および日本ラテンアメリカ学会のいずれの学会にもなかったスペイン語教授法の分科会を設置することで,多くの会員が担当する第二外国語としてのスペイン語に直結するスペイン語教授法について議論する場を設け,日本の高等教育におけるスペイン語教育の在り方について検討することを可能にした。現在では,両学会ともにスペイン語も使用言語として認め,前者ではスペイン語教授法の分科会も設置されているが,本学会がその先駆けとして果たしてきた役割は大であると言える。

 以上

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